★★ 水温センサのコネクタ リペア&フィッティング
〜いすゞ117Coupe のある生活〜
水温センサは、ECGI 搭載車にとって生命線と呼べるほどに重要な部品です。
DOHC車の場合、水温センサの樹脂コネクタは排気エキゾーストパイプ直上にあるため、
コネクタの樹脂が高温にさらされ、エンジン振動の影響もあって脆くなります。その影響として、先ず差込みの維持が危うくなりがちなことが挙げられます。
次に、脆くなったコネクタの亀裂から水分が浸入し、接点が錆びて接触不良になりがちです。この接触不良はエンジン自身の振動で発覚することがあります。
具体的な経験としては、エンジンのハンチング(激しい息つき)を経験しました。
それはもう凄まじいもので、クルマがロデオの暴れ馬のよう動き、
瞬間的にエンジンが止まったかと思えば、次の瞬間には息を吹き返して激しく加速、
これを数回繰り返しました。ドライビング上での対応としては、素早くクラッチを踏み、かつエンストさせないよう
アクセルを踏んで、回転を上げる(振動させない)ことに尽きると思います。
走行中であれば、エンジンが振動しない回転数を維持することでしょう。このトラブルはエンジン振動で表面化するので、慣れるとアイドル中でも予兆に気が付きます。
規則正しいエンジン音から、ある瞬間だけ音が抜ける(瞬間的なエンスト)感じが掴めます。
ここでは水温センサの樹脂コネクタについて、コネクタの修理、およびコネクタの固定を紹介します。
なお、水温センサーそのものを修理する訳ではありませんので、念のため。
以下に作業経過をを紹介します。
写真をクリックすると拡大表示されます。
今回修理するのは右のもの。
すでに一度、自分で修理しましたが、接点磨きなどコネクタの分解を含むところまでは
遣っていなかったので、今回の記録を執筆する羽目に(苦笑)なりました。なお、左の水温センサーのコネクタですが、ECGI には繋がりません。
両者ともコネクタのホールド方法は同じなのですが、ECGI 向けの物は熱による劣化で
一部が欠けてしまい、本来の固定方法(コの字形状の針金)が出来ません。
この固定方法については後述します。
以前修理したコネクタを解体しました。
埃が入り、コネクタケースをセンサーと密着させるためのパッキンを汚している感じです。
パッキンは崩壊すると手を付けられないので、今回は手を触れないことにしました。電線を抜くには、接点金具の爪を上げる必要があります。
爪の位置は後述の写真で確認できます。
方法としては、電線を押しながら、センサー側から先の薄いマイナスドライバを差し込んで爪を浮かせば良いです。
接点金具は表面的には幾らか綺麗ですが、内側には緑青状の錆びがありました。
電線の圧着部分にも錆びが回り込んでいました。
接点金具の内側を紙やすりで磨き出し。
水温センサーと接触するので、丁寧にやります。再び錆びる日が来るのは諦めるしかありません。
前述パッキンが元気でも限界があります。
それよりも、クーペとの付き合いと割り切るほうが楽になれます。ちなみに水温センサーの接点を磨くのも忘れてはいけません。
(写真は撮り忘れた)
圧着された電線も丁寧に外して、綺麗に磨きをかけました。
接触不良の不安を払拭したかったので、思い切って半田付けしてしまいました。
ここの半田付けに関しては良否意見の分かれるところでしょう。
私は電線は劣化すると思っているので、分解の厄介な圧着を選びませんでした。
電線は交換を前提として考え、接点金具を再使用したいからです。
順番が前後するかもしれませんが、予め通しておいた熱収縮チューブをかけて、
仕上げに接点金具の爪を立てて、電線・接点金具は一応終了。
コネクタケースの錆びが呼び水にならないよう、出来る範囲でヤスリがけで錆び落とし。
コネクタケースに電線を差し込んで元通りに組んだら、出来上がり。
緑の円内が水温センサーの居場所。
ECGI に繋がっているのは右のもの。
修理したコネクタには太い針金でフックを作り、スプリングをウォーターマニホールドに
巻きつける格好で、コネクタが浮き上がらないようにテンションを掛けて固定します。
コネクタの配線は、エンジンの揺れに追従できるよう長さに余裕を持たせたいもの。
写真は、排気エキゾーストを避けてループ状になっているのが判るでしょうか。ちなみに、なぜか純正はここが短いんですよねぇ・・・。
Last update 2015.02.09