〜いすゞ117Coupe のある生活〜

★★ 期間限定キャブ化
1998年2月〜2000年1月のあいだ、本来のインジェクションを廃止してキャブレターを装着していました。
動機は単純で、「キャブ車に乗ってみたい」 ただそれだけです。そのころから本格的にハマりだしたサーキット走行では良い武器になりました。
しかし、アイドルアップ機構がないので、街乗りではそれなりに面倒でもありました。たとえば、XE-Limited はパワステ標準装備ですから、ハンドルを
切るとパワステポンプに負荷が掛かってアイドル回転数が下がります。エアコン動作時も同じです。これを放置しておくとバッテリがアウトになるので、
ドライバーがアクセルを絶えず僅かに踏んでおくという、細かな気配りが要求されます。
燃料ポンプに至っては、ノーマルはキーオンだけでは動かないので(もし動いたらコンビネーションリレーの不良)、配線からやり直す必要があります。

キャブレター本体は ミクニ工業製44Φ。買ってきた、そのままの状態で使っていました。Solexの商標が期限切れだったか、
そんな理由で Solex の表記はありません。
スロットルリンゲージとインテークマニホールドはトヨタ2T−Gを流用しています。これらは原田商会で入手しました。
ただし、リンケージをヘッドブロックに取り付ける細工は自分で遣らねばなりません(溶接などで)ので、ご注意を。
スロットルワイヤはノーマルでは長過ぎたので、117クーペ★★XC のモノを使ったところ丁度良くなりました。

その後このキャブは、2000年1月に買ったジェミニ(PF60)に移植され、本来の目的であるモータースポーツ用途に活かされています。


★★ 装着当時の感想
ピークパワー的には燃料噴射に劣りましたが(ノーマルカムのため?)、クイックなピックアップはキャブならでは。
思わず空吹かししてしまいます。吸気音丸出しだったので、一部では117に似合わないという声も。

★★ 吸気口
ラッパ状のものがファンネル、口径は44φです。左側ファンネルの上にある穴はエアジェット/パイロットジェットの吸気口。

★★ ボディ
奥行きは約15cm程度。ボディ上部から伸びる管に燃料パイプをつなぎます。ボディ上部の四角いふたの中はジェット類が収められています。
ジェット類のセッティングは色々と試しましたが、詰め切ることは出来ませんでした。
メインジェット エアジェット パイロットジェット ポンプジェット 時期 備考
150 200 57.5 未確認 98年2月 出荷状態
140 200 57.5 未確認 98年3月 高回転でパンチが弱いが音質は軽い
140 200 55 未確認 98年4月 アイドルでストール気味
140 200 60 未確認 98年4月 アイドル安定した
150 210 60 未確認 98年4月  


★★ スロットルバルブ
黄色く光る円盤がスロットルバルブ。何故か捩じれて、右と左の同調が狂うことが多いです。直し方はシャフトの両側を工具で掴んで『エイッ!』折らないよう、ご注意。
その上にあるネジがアイドルアジャスト スクリュー。
丸くてバネが付いているのはチョークですが、冬でも使うことなく エンジンを始動できますので、特に配線はしていませんでした。

★★ エンジンルーム
赤いカムカバーと赤いプラグコード。そしてシルバーのファンネル。 プラグコードは永井ウルトラ、なぜか4番プラグに届き難くなくなって しまいました。 手前下にある緑の管は、ブローバイを抜き取るブリーザーパイプ。 透明なペットボトルはオイルキャッチタンクで、ブリーザーパイプから 出てくる気体の色を見てみたかったので、この様にしていましたが、強度に不安があったのでブレーキオイルのボトルに交換しました。

クリックすると拡大写真になります。


キャブ化直後のエンジンルーム。
ミネラルウォーターの透明ペットボトルは強度が不足します。
ブローバイの量を見るのにときどき使うにはいいかも。


EX側


IN側 その1


IN側 その2


IN側 その3


リンゲージ
原田商会から買っただけではダメで、ヘッドから生えているスタッドボルトにキャブと共締めする必要があり、
なにか適当なアングル材を見繕って、リンゲージに溶接などで固定する必要があります。アングル材を
スタットボルトに留めた状態で、リンゲージと溶接すると綺麗に仕上がるかも。


オイルキャッチタンク
ブレーキオイルの空きボトル(Lockheed SuperDOT-4)で代用。


バルクヘッド
赤と黒の配線はコンビネーションリレー〜燃料ポンプの配線。
私の117の年式は、ノーマルでは、キーオンだけではポンプは動きません。
キャブの場合、キーオンでキャブの油面が上がらないと始動困難になりますので、
コンビネーションリレーのキーオンで+12Vとなる端子から配線を引き直しています。


温水バルブ
ノーマルでは負圧で開閉するバルブが付いており、キャブ化すると負圧の供給が難しくなります。
(出来ないわけではないが、マスターバック位しかなく、リスキーである)
そこで、マニュアルエアコン装着車についている手動バルブを移植し、冬季は自分でボンネットを
開けてバルブを操作していました。これが結構めんどくさい上に、室温が必要以上に上昇して
参ったものでした。ここを開閉する負圧は室内の換気ユニットの動力源としても使われているので、
温度制御が出来なくなるのは当然のことですね。



燃料ポンプ
三葉(ミツバ)製の定番。
ノーマルの電磁ポンプは圧力が高く(2.5kg/mm)、そのままキャブに使うと ガソリンがキャブから溢れてオーバーフローします。そのため、キャブ用の 電磁ポンプに交換します。 また、このポンプは吐出量は多いのですが、吸引力が弱いので、燃料タンクの すぐ傍に取り付けることが大切です。 イグニッション・キーを捻ると、ポンプの音が初めは速く、そして次第に遅く なって、キャブに燃料が行き渡ることを教えてくれます。 そして、おもむろにセルをスタートします。

クリックすると拡大写真になります。


箱入り新品


ノーマルポンプ
インジェクションに戻せるように、そのまま。


三つ葉ポンプの取り付け その1
燃料配管はノーマルを使いますが、管の直径が三つ葉ポンプと合わないので、変換する小細工が必要です。


三つ葉ポンプの取り付け その2


三つ葉ポンプの取り付け その3


三つ葉ポンプの取り付け その4


三つ葉ポンプの取り付け その5


 



余談ですが、全てのページが読者投稿で出来ていた雑誌 『ポンプ』 も好きでした。
懐かし〜。


Last Update 2003.01.27

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