★★ 燃料ホースの劣化と交換〜素人の浅知恵(失敗編)
〜いすゞ117Coupe のある生活〜
117クーペの燃料タンクはトランクの床を兼ねており、従って大部分はリヤタイヤ・フェンダーに
囲まれていますが、PFジェミニなどとは異なり、基本的には外部に露出しています。エンジンに燃料を送り出すポンプと、そのための配管(金属、ゴム)も燃料タンク同様に
外部に露出しています。そのため、路面に程近いタンク・ポンプ・配管・配線は、熱波・厳冬によって
劣化が進みやすいことを理解しておくべきでしょう。
このページでは、ホースの劣化の例と、手軽に手に入る部品による誤った修理を紹介します。
何事も純正部品が一番!と言うつもりは無いのですが、純正品並の部品選択という大切さを
認識していただく一助になればと思い、失敗談を披露するものです。
【余談】
PFジェミニはトランクスルーが無く、後部座席の背面に燃料タンクがあります。
運動性を重視した故の選択か否か不明ですが、燃料という大きなマス(慣性重量)を
タイヤの内側に寄せることが運動性に寄与するのは間違いないでしょう。
以下に作業経過をを紹介します。
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【作業編】
燃料タンクからの吸出し(ゴム配管)。
左端にある円筒形のものが燃料ポンプで、ひび割れた配管を伝ってガソリンを吸いだしている。
燃料ポンプが吐き出すガソリンの圧力は、そのままではインジェクタに対して高すぎるので、
レギュレータ(中央の丸い部品)で減圧してエンジンルームに供給する。今回、燃料漏れを見つけたのは黄色い矢印の箇所、これが修理のきっかけとなった。
じつは、これ以前(約1年前?)に、U字状ホースの末端に亀裂が生じて燃料漏れを起こしていた。
どうやら、ゴムホースの金属に接する部分から傷み(亀裂)が起きてくる傾向があるように見える。
バイク用の燃料ホース。
これをネットで見つけて買ってしまったのが、素人の浅はかさ。
耐油性、2重厚み。これなら大丈夫だろうと。これは、さほど燃料の圧力を気にしなくても済む用途に使うのでなかろうか。
インジェクション仕様の自動車エンジンで必要となる燃料圧力に耐えられないことは、
最後まで解らなかった。
ジャッキアップしてリヤタイヤを外し、ホースを外した際に零れるであろうガソリンを受ける容器を、
リヤバネをうまく使って差し込めた。
レギュレータと反対側は簡単に抜ける、と思いきや固着して難儀した。
前述のホースがあるという安心感から、引き抜くのを諦めてニッパーでカット。
タイヤを付ける前に試運転して漏れがない事を確認したつもりだったんですが、これが甘かった。
・・・ホースを摘んでとか、いろいろ遣っておけばと思うも、後の祭り。試しにドライブ♪と思いつつ走っていると、ガソリン臭が。しかも室内から。
修理箇所の近くには水抜き穴があるので、そこから臭って来たのでしょう。「まさか・・・・」
と思いつつ、広い路肩に感謝しつつ下回りを覗いてみると、燃料配管の(どこ?)からシャシー前方に向かってガソリンが噴出!
サスペンションとかボディとかを洗っています、洗わなくていいのに!
というか、その位に凄い勢い。
さすがは吐出圧2.55kg/cm、吐出量60リットル/時。という事は一分間で1リットル・・・。
とにかく、ガソリン溜まりを拡げる訳にはいかないので、タイヤを外しても大丈夫そうな処を探して走りました。
そして、燃料計の針がドンドン動く!ガス欠の恐怖を本気で感じました。
ガソリンの針は10分で指針5?6本分くらい減りましたが、何リッターかは考えたくないw
ルームミラーには地面に撒いたガソリンがキラキラ光ってました。・・・とある場所を思い出し、ジャッキアップして対策作業を始めました。
ピンク矢印のホースを摘んでみると、牛の乳しぼり状態。ピュ〜!
摘み方を変えると出たり出なかったり。増し締めして試走して、ガソリンが垂れていないのを何度も確認。それくらいしか思いつきませんでした。(JAFは面倒みてないだろうと想像した)
最初にガソリンの噴出を見たとき、その場で増し締めを思い付かなかったほど慌てていたんですね。
派手な燃料漏れでしたが、マフラーが反対側で、大事に至らずに済みました。
たばこの投げ捨てで発火したらどーなるかなー、という事が何故か気になっていました。
どこまで締めたらいいのか、あるいは締める箇所のトルクバランスがあるのかとか、
迷いを解決していなかったのが敗因でした。
Last update 2015.02.09