〜いすゞ117Coupe のある生活〜

★★ 波形測定 インジェクター編  

Last update 2006.05.07


インジェクタに掛かる電圧は、どのような波形変化をしているのだろう・・・と思い始めて数年が経過した。
やっと重い腰を上げて、波形を採ってみることにした。
 
 

写真をクリックすると拡大表示されます。



 
 

  

波形の観測ポイント。
右の写真は、コンピュータとインジェクターのあいだにある抵抗(ドロッピングレジスタ)の、
インジェクター側にテスター棒を刺しているところです。
アースはエンジンではなく、もっともアース電位の低いバッテリに接続します。
 

  

エンジンを回さずに、キーオンとキーオフでどのように違うのか調べてみました。(左の写真)

キーオン : 約+13Vが掛かっています(右のテスター拡大写真)
キーオフ : ほぼゼロボルトです(中央の写真)

なお、テスターでは波形を見ることは出来ません。
また、テスターの表示が波形の影響を受けることは、まずありません。
これは、テスターの針の動きがあまりに遅く、電圧の変化に追従できないためです。
 
 

インジェクターに掛かる電圧パルス。
負極性の鋭いパルスが観てとれますが、この下向きパルスによって
インジェクターが開き、燃料が噴射されます。

なお、1000rpmに於けるハルスの周期は以下の通り。

1000rpm÷60sec=16.66rps=16.66Hz (一秒間で一回転=1ヘルツ)

1÷16.66Hz=60msec

上の波形では点線の縦線間隔が60msになっています。
クランクが一回転する毎に燃料が噴射されていることが判ります。
(G200WEの仕様の通りに動いている)
 
 

 

パルスを拡大してみました。
エンジンが回っており、発電機の効果で約+14Vに達しています。
そこから、約+4.5V まで 3.1msec かけて低下しています。
この低下するスロープの何処かで燃料の噴射が始まっています。
(オシロスコープは正確な電圧を読むのには適していませんので、念の為)

インジェクターは電磁弁であることから、もしかすると
スロープに沿って噴射量も変化しているのかもしれません。
あるいは、
電磁弁の開く電圧と閉じる電圧が異なっている(ヒステリシスと呼ぶ)かもしれません。

また、2チャンネル(二現象)のオシロがあれば、
水温センサの変化、あるいは加速増量スイッチをトリガ(波形を記録するきっかけ)にして
噴射量(噴射率?)の変化を見ることができるので、ノーマルインジェクションで
パワーアップを狙う場合には強力な武器となるでしょう。
(ただし、バルブタイミングなどは別の話として必要)

ちなみにアイドルでの噴射率は
3.1ms÷60ms=0.051=5.1%
となります。
 

 

パルスの間隔を拡大してみました。
この間隔はエンジン回転数によって決まるので、数分連続して波形の変化を眺めていると、微妙に揺らぎます。
オシロが波形を取り込むタイミングが荒い、という問題もありますが、
アイドル回転数が常に微動していることの方が要素的には大きいでしょう。

タイミング条件をトリガ要素に設定できる高級オシロがあれば、
『**msec後に次のハルスが無ければ表示を止める』
という方法で失火原因を追求することが出来るんですが、まぁ夢かな(苦笑)






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