〜いすゞ117Coupe のある生活〜

★★ ETCの導入。
Last update 2006.07.25


ある日、阪神高速のとある料金所で、となりのETCレーンから飛び出してくるクルマが気になった。
こっちは係員に挨拶しつつ料金を支払い、一言「おおきに」と告げて、おもむろに加速する。
それがある日を境に、大抵は反対車線にあるETCレーンの方を、加速する前にチェックするようになっていた。
また、とある料金所ではETCレーン3本に対して係員のいるレーンが1本だけ、というものもあった。

最近は横柄な係員を見なくなり、逆になにか一言くれるのが嬉しかったのだが(117か!と言われたこともある)、
大きな割引率(阪神高速の土・日曜は20%オフ)に影響され、加えてETC導入総額から5250円割引という
キャンペーンにダメ押しされて、117クーペにもETCを導入する気になった。
※割引キャンペーンは2006年7月時点での事

遠距離を走るには、実はPFジェミニの方が楽なのであるが、利用頻度、車種と実用性を秤にかけて
まずは足クルマである117クーペに付けることにした。

PFジェミニの方がメリットがあると最初は思ったのだが・・・

PFジェミニで走る高速道路は燃費も悪く、全然面白くないという事情がある。
それに、料金所で係員と短いコミュニケーションができるのも、なんとなく嬉しかったりするのだ。
我がPFジェミニ、辻斬銀次はインジェクションのコンピュータもエアコンも取り外し、
AMラジオもアンテナ線を(間違って)切ってしまって聴こえないのだ。
FMは入るからまだ良いのだが、ECOなご時世にキャブレターでブイブイいわせて、
一方通行は逆行しないが時代には逆行するアナログカーには、ETCより係員ゲート、
セルフで入れるガソリンスタンドよりも、「ジェミニですよね」と話しかけてくる親父さんがいるスタンドが似合うのである。
 

・・・?
そんな訳で117クーペにETC機器を取り付けたので、以下に紹介したい。
写真の段取りが悪く、説明内容が前後している点が多々あるのはご容赦ください。
 

写真をクリックすると拡大表示されます。


取付後の様子

  

左はドライバーの視点で、アンテナが目に付き難いことが判ります。
私のクーペはJTレカロで座面が高いことを考慮すれば、
ノーマルシートだとアンテナは見えないかもしれません。

中央はアンテナ(矢印)。両面テープで貼り付けしました。
右はETC本体。この写真の電源配線は暫定的(シガーライターから採った)なものです。

ETC車載機は、三菱電機EP−400シリーズ(EP−434BK)というものです。
音声ガイド機能(スピーカー内蔵)付き、アンテナ外付け(ケーブル3m、取付スタンド付属)。
嬉しいのが、アクセサリー電源のみでOKということ。
他社にはバッテリ電源を必要とする機種もありますので、電装系が弱い旧車には有り難いところです。
三菱電機のカーナビと連動する仕掛けも持っています。


アンテナの配置と配線

 

アンテナ本体。
ケーブルの曲げ半径には一般に制限があり、この機種では最小半径15mmという指定でした。
この数値ですが、これ以下ではケーブルが固くて曲がらなかったので事実上ありえませんでした。

ケーブル(テレビなどと同じ同軸ケーブル)を扱うコツは、ケーブルの捩じれに逆らわない事と、
自然に曲がる範囲で曲げることです。この二点を守れば綺麗に配線できて長持ちします。
 

   

ケーブルの取り回し。
左の写真から順に、
(1)フロントガラスとダッシュボードの谷間に押し込みます。
(2)ダッシュボードとボディの隙間に押し込みます。
(3)ボンネットオープナーの手前に引き出します。

ダッシュボードとボディの隙間にはクルマの個体差がありますから、
あくまで参考程度に見てください。

何度も「押し込んで」いますが、工具は使わず、手で押せる範囲に留めます。
理由はケーブルの表面を痛めないためです。
ケーブルの捩じれを取ってやる事も忘れずに。
 

  

ETC本体はセンターコンソールに付いてますので、ケーブルを上手く隠して配線します。
左の写真はケーブルの位置(矢印)です。
中央は余剰となったケーブルの処理です。入る範囲で大きく自然に巻いておき、
タイラップ等で強く縛ってはいけません。電波が通らなくなります。
右はETC本体の配線完了の図。上側がアンテナケーブル、下側は電源線。

コツは、先に余剰となるケーブルの処理を行うこと。
ケーブルには元々ねじれがあるので、
先にその捩じれに逆らわずに巻き取ってしまうことが、
中央の写真のように素直に配置するための条件となります。
上手くできれば、特に縛らなくても安定します。
 


本体の設置と電源の配線

 

EP−400シリーズには台座(左写真)があって、ネジまたは両面テープで取り付けるようになっています。
ETC本体は台座のフックに差し込み、後ろをネジ止めする構造になっています(右写真は本体をネジ止めしていない)。

センターコンソールには、かつてKENWOODのカーステを付けていた頃の名残であるネジ穴がありましたので、
そのネジ穴を使って台座をネジ止めしました。
右写真で推測できるかもしれませんが、ETC本体をネジ止めすると、台座とコンソールのあいだに隙間ができたので、
付属品の両面テープを差し込んで固定しています。(写真撮り忘れ)

なお、手に持っているETC本体の、親指直下にあるツブツブ穴はスピーカです。
取扱説明書には「音声出力穴」と書いてあります。
三菱らしさ満点です。
ボリューム(4段階)を上げると音が割れるし、下げると走行中に聞こえないという、頭の痛いヤツですが、
ブザーで女性の音声を出させてる(かもしれない)マニアックな技術には脱帽かも。
 

EP−434の電源線。
親切なことに、プラス極にはオスとメスの両方のギボシ端子が用意されています。
マイナス極は元々ギボシ端子ではなく、ボディアースにネジ留めする前提で圧着端子が繋がっていました。
電源線の長さは4m以上あったと思いますが、赤黒に別れているのは30cm程度です。
 

  

電源を配線するため、フェンダーミラーのリモコンを外しているところ(左と中央の写真)。
左の写真はヒューズボックスの下(手前)にある、外すべき二カ所のネジを示しています。
 

  

あらかじめ回路図を読んで、ACCオンで+12Vが供給される場所の目星を付けておきました。
それが、フェンダーミラーのリモコンスイッチでした。
中央の写真は+12Vの端子を見つけたところ、右はマイナス端子を見つけたところ。
マイナス端子は、おそらくXGに標準装備だったリアワイパーのハーネスだと思います。
実車で確認していないので確証は持てませんが・・・。

バッテリのマイナス極との間で導通チェックを行い、
念の為にシガライターのマイナス極とバッテリのマイナス極との間で導通チェック。
さらにシガライターのマイナス極とハーネスのマイナス極で導通チェック。
いずれも抵抗値に差がなかったのでOKとしました。
 

 

テスターの針は+12V端子の電圧を表示しています。
キーは、くいだおれ、ではなくACCの位置にあります。

なお、くいだおれ人形のキーホルダーは大阪圏内JRのキオスク、名神高速のSA、
大阪南港フェリー乗り場のお土産屋さん等に置いてます。
ひとつ800円くらいします。高杉。
 

   

フェンダーミラーのリモコンに、+12V電源の取り出し口を追加しているところ。
作業順序は写真左から右に。
黒いビニールは最終的に全部取ってしまいましたが、全然差し支えありません。
 

 

電源線の接続。
フェンダーミラーのリモコンに追加した二股ギボシ端子に、ETC本体の+12V電源である
赤い線のギボシ端子を差し込みます(左の写真)。

紫の電線はマイナス極。車体が塗装されている関係上、ボディアースは期待できません。
下の写真のとおり、確実なアース箇所から専用の電線を引きます。

配線の余剰は、ヘンなところ(鉄ビス、クリップ、ホッチキス等)に挟まないよう要注意です。
組み上がってから噛み込んでショート・発熱でもしたら、溜まった埃に引火して危険です。

旧車でも、断熱材やら防音材を多用している(当時の)高級グレード車種では、
特に気をつけるべきポイントです。
 

  

電源線マイナス側の処理。
合うコネクタが見つからなかったので、適当な端子板を差し込んで、
抜けないようにタイラップで縛りつけてあります(左写真)。
 

 

電源線の余剰を処理します。
適当に巻いてタイラップ等で軽く縛り、ダッシュボードの奥深くに押し込みました。
アンテナケーブルと重ねていない点に注意してください。
電源線がコイルになってアンテナケーブルに影響を与えないように配慮しています。
(そもそも影響があるかどうか判りませんが)

なお、ETC本体の消費電流による、電源線の抵抗・発熱は実質的に無視できると考えています。
EP−434の消費電流は最大400mAですが、スピーカ無しのタイプでは200mAなので、
音声ガイドが働く時のみ400mAに達すると考えても差し支えなく、しかも、ごく一瞬の事です。
スピーカ無しのタイプが200mAに達するのは、ETCレーンで電波を送受信する瞬間だけで、
あとは待機状態(受信状態)となります。
たいていの市販の電子機器で、省電力を考慮しない事はあり得ないので、
待機状態の消費電流の大半はLEDの点灯に費やされていると思われます。
それは数十mAの単位です。

幸いガラス管ヒューズを使っているので、比較的簡単にシャント抵抗を入れることができます。
気が向いたら待機時の消費電流を測ってみたいと思います。
 

 

動作チェック。
キーをACCにすると、無事にLEDが点灯し「カードを入れてください」とお願いされてしまいました。

あとはETCカードを入れて、恐怖のETCレーンに入ってください。あくまで慎重に。
最初は誰もが、認識されるかなー、ゲート開くかなー、追突されないかなー、とハラハラドキドキするものです。
無事にゲートが開いたら音声ガイドなど聴かずに、他のゲートから来る車両に気をつけてイッキに加速しましょう。

スリルがあって、とっても新鮮です。
すぐ慣れますが。
 


余談(ETC本体の設置場所)

フェンダーミラーのリモコンを外していると、いい場所を見つけました。
 

 

なにか刻印のようなものがエンボス加工で入ってます。
実はネジ穴か何かと間違えましたが、このHPを書いている途中で気が付きました(わはは)
取り敢えず、スペース的に入るか、サイドブレーキを引いたり(左の写真)、戻したり(右の写真)してます。
 

  

ETC本体が手の動きの邪魔になるか見てみました。

ETC本体を手の甲で押さえてます(左の写真)。
これが出来ると言う事は、邪魔になる可能性があると言う事です。

ただし、電源・アンテナケーブルの取り回しの関係から写真のように奥には付けられないので、
目一杯手前に出せば付く可能性が大きくなります。
ダッシュボードの加工(ETC本体の台座を取付)が大変かも、という未知の部分は残ってますが・・・。

だれかチャレンジしたら、結果を教えてください。m(__)m



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