〜電車でGo! 2ハンドルマスコンPWMパワーパックの開発記録〜


 1.写真編 
 

Last Update 2009.11.06
写真をクリックすると大きな画像が開きます。

1.全景

   

改造前の状態。ノッチレバー・ブレーキレバーともユニット毎に外してあるので広々としています。
この時点で、大雑把に基板配置をイメージしておくと、あとの作業で配線長を決めやすくなります。
また、途中でやる気を失うことも幾分避けられると思います。
 

  

機能ブロックごとに基板を分けて、少ない隙間に押し込んであります。
裏蓋の白いラインは、スペースを確保するためにリブ(骨格)をペンチで引きちぎった跡です。
この引きちぎる位置は必要最小限にすべきで、ノッチ・ブレーキの可動部付近は触らない方が無難です。
※右の写真は組立て途中のもの。


2.加速ノッチ

   

上の写真で小さい方が加速ノッチの基板です。
ノッチ基板をレバーに合体させて、ケースに収めます。
このとき、白い線がレバーから出ているのですが、非常に華奢な作りなので切らないように注意が必要です。
あと、このレバーを組み込む際にレバーの跳ね返りをさせる円形バネがあり、戻り具合を調整できます。
バネを緩くしておくと、ノッチから手を離しても勝手に戻ることが無いので、使い勝手が良くなります。
 

 

ノッチユニットを組み込んだところ。配線長は長めにしておくと、後々の自由度が増します。
東急車輛のステッカーは、「Bトレインショーティー横浜地区限定・クモヤ143」を買ったときに一緒に入っていたものです。
このコントローラ、および当ページは東急車輛と何の関係もありませんので、念の為。


3.ノッチレバーの安全装置(ノッチオフ検出スイッチ)

   

マイクロスイッチを使い、ノッチOFFの時に導通するように配線しています。
パワーパックの電源スイッチをONしたの暴走対策に、ノッチオフでないと使用可能にならない仕掛けにしてあります。
回路的には、ノッチオフ状態を初期値として考えることができ、作り易さの面で大きなメリットとなります。


4.加速ノッチ抵抗

 

ノッチ毎の加速率を決める抵抗群。固定抵抗と半固定抵抗の組み合わせで作り、微調整を可能としてます。


5.ブレーキ基板

   

ブレーキレバーの金具が接触する部分。
ICの部分には74HC148( 8 to 3 Priority Encoder)が2個と、もう一つロジックIC(何か忘れた)が載っていました。
配線がハンダ付けしてある部分にはチップ抵抗が載っていましたが、ICと共に全て取り去りました。ICの跡がショートしないよう注意が必要でした。
導体が剥き出しになっている部分には、もともと導電グリスが塗られていましたので、ハンダ付けの前後で拭き取り・再塗布を行いました。


6.ブレーキ側の安全装置(解除位置検出スイッチ)

  

マイクロスイッチを使い、ブレーキ解除の時に導通するように配線しています。
機能的な役割はノッチの安全対策と同じです。
右の写真は、ブレーキレバーのクリック感を演出するバネです。


7.ブレーキ抵抗

 

ブレーキの減速率を決める抵抗群です。市販品の抵抗だけでは欲しい値にならない場合があるので、売っているものを上手く組み合わせて作りました。
もっとも、抵抗精度は±5%もあれば充分で、細かく詰めても仕方ないのですが、一応デジタルテスターで目標値が出ていることは確認しておきました。
レバーを操作して加速したら、悲しすぎますからねぇ。


8.PWM信号発生ボード

  

ここには市販キットを使いました。ただ、ヒートシンクはキットに含まれないので自分で買い足しました。
このキットは仕様としては電源電圧DC+6Vとなっていますが、半導体の定格はDC+12Vまで可能です。
そこで、付属のモーターの最大定格が+6Vだろうと推測し、電源をDC+12Vにすることができたのです。

【入手先、型名、品名】
マルツ電波 M2PK2400 DCモーターコントローラ
秋月電子通商 DCモータ・コントローラキット 2PK2400
※上記は説明書以外は同じものです。

【参考】
このコントローラによる運転の動画(YouTube)


9.リレーボードと一体化したコンデンサ初期化タイマー

   

リレーは当初、基板に置く予定がありませんでした。
しかし、作りながらの実験を繰り返していくと、コンデンサによるタイマの初期化が必要となり、
チャージ回路を制御するリレーロジックを、タイマーIC「NE555」と汎用NPNトランジスタで制御する必要が生じました。
そのため、リレーボードとタイマーを合体してあります。

なお、タイマーボードは共立電子エレショップのオリジナルパーツですが、結果的に
使わなくても良かったと思います。大改造で誤接触に気をつかう羽目になり、手間が掛かりました(苦笑)。
なお、姉妹店のデジットでも同じようなものデータシート付きで入手できます。
 

 

タイマの値は半固定抵抗で調整できるようにしてあります。
抵抗で調整できる範囲を決めるためには、コンデンサの値を事前に良く考えておく必要があります。
 


10.その他

   

左から、ACアダプタの受け口。同じものが2個ついており、片方はサービスコンセントとして予備的に用意しました。
次の2回路3接点(ON-OFF-ON)トグルスイッチは、レールに供給する電力の極性を切り替える、進行方向スイッチ。
スイッチの上にある黄土色の物体は、ショートからパワーパックを保護するための過電流対策パーツで、ポリスイッチ(1.5A)というもの。
ポリスイッチの片極はケース表面の透明なヒューズボックス(ヒューズ:1A)に繋がっておりますが、気休めです(笑)。
抵抗2個の写真は、動力車の起動電圧を設定するボリュームと、ノッチ・ブレーキのレバー操作に対する反応性を調整するボリューム。

赤いスイッチは電源スイッチ。プッシュロック形を採用しています。

3個並んだLEDは、左から順に点灯します。
「アダプタ」は文字通り、ACアダプタから給電がある限り点灯し続けます。
「保安」は電源スイッチを押した際に、ノッチレバーが「切」、ブレーキレバー「解除」にあれば点灯します。
「出力可」は「保安」が点灯して約30秒後に点灯します。この間、内部のコンデンサ充電など(初期化)を行いますが、
30秒後には「出力可」が点灯して車両のコントロールが利くようになります。


11.フロントパネル

   

運転台に欠かせないもの、それは計器。そして表示灯。
電圧計・電流計・検流計の指針を見る窓を作り、表示灯の窓を開けます。

表示灯は、ぼんやりした明るさが欲しくて電球を採用しましたが、電球にはLEDのような極性が無いので、配線するにも気が楽です。
遮光板は1.2mmのプラ板に銅テープを貼って作りました。
 

  

メーター類は将来の再利用を想定して、全て強力両面テープで貼り付けています。
パネルは1.2mm厚のプラ板で、強度が不足してしなるので、適当に補強を貼り付けてあります。
 

 

フロントパネルの取り付けは2箇所のネジ止めによります。持ち運びを考えて脱着可能にしてあります。
 


12.コネクタ(本体)

   

   

本体とフロントパネルを繋ぐケーブルを配線します。
本来はここまで太い線材を使わなくても良かったのですが、安くて見栄えするコネクタのセットを買ったら、太い配線じゃないと収まらなくなってしまったという次第です。
太い線材を華奢な基板に直接ハンダ付けしたので、引っ張りには弱いです。
そのためタイラップをふんだんに使って、なるべく引っ張りに対抗できるように意識して束ねました。
 

   

コネクタの端子収容図と回路図の対応。
ピン配置はフロントパネルの部品配置(接続)を優先に考えました。
本体は束線なので、端子収容はどうでも良いのです。
 


13.コネクタ(フロントパネル)

  

パネル側は、太い線材をラグ板で受けてから各メーター・ランプに配線する、2段階の配線をやっています。
これは引っ張り対策であると同時に、メンテナンスを容易にする効果があります。
 

  

オスとメスのコネクタは「やってしまった、失敗」の図。
コネクタケースのオス・メスと、ピンのオス・メスが一致していません。
まぁ、接触子を抜くのも大変なのと、繋がれば良いという割り切りから、そのままに・・・。

機能の割に大袈裟な配線となってしまい、バランスの悪い結末となってしまいました。
適当なコネクタ選びをすると失敗する、という例ですね(涙)
通電するとインジケータが光って、一安心。
 


14.試運転

 

まずはノッチ、ブレーキのレバー位置検出から。
 

  

さっそく走らせてみました。
電流計・電圧計の指針が走行状態によって左右に振れるのは、本当に気持ちの良いものです。
 

   

写真ではリアル感が伝わりにくいので、動画を撮りました。(MPEG-1形式、7.6MByte)
 
 

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